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【特定技能ドライバー採用・稼働事例】株式会社東日本トランスポート

株式会社東日本トランスポート 
外国籍ドライバー2名を採用(現在、稼働就業中) 

― 現場合意と教育体制の再設計が生んだ、段階的導入のプロセス ― 

今回、株式会社アズスタッフ(以下、弊社)が登録支援機関としてご支援した株式会社東日本トランスポート(本社:東京都港区)は、制度開始初期段階で外国籍ドライバー2名を採用しました。 

本記事では、その背景と取り組みについて、 
総務部長の髙橋様と、総務部課長の日東寺様に、お話を伺いました。 

■ 国内採用の限界と、地方採用という挑戦 

東日本トランスポートが外国籍採用に至るまでには、複数の検証プロセスがありました。 

「人手不足は年々深刻化しています。定年退職は進む一方で、新規参入は限られている。従来の採用手法だけでは、安定的な確保は難しい状況でした。」(髙橋様) 

同社は、日本人採用の可能性を広げる1つの施策として地方採用に取り組みました。 
募集は東北・新潟エリアから開始し、最終的には北海道から沖縄まで範囲を拡大しています。 

その狙いは、まずは人材不足が顕著な首都圏の大型配送拠点に対し、計画的に人材を供給できる体制を構築することにありました。 

これに伴い、首都圏への転居を前提として、転居費用の支給や家賃補助の拡充など生活面の支援策を整備しました。加えて、地方と比較して高い首都圏の給与水準を踏まえ、転居を前向きに検討する応募者層の獲得を見込んでいました。 

しかし結果は、応募が極めて限定的というものでした。 

「引っ越し費用も全額会社負担にし、条件も整えました。正直、手応えはあると思っていました。ただ、実際には思うような応募はありませんでした。」(髙橋様) 

同社はこれを単なる失敗とは捉えませんでした。 
物流職は転居の必然性が生まれにくいことなどを整理し、『なぜ刺さらなかったのか』を検証。そのうえで、次の選択肢として特定技能制度の活用を本格検討します。 

■ 導入の前提は「採用」ではなく「受け入れ設計」 

制度活用にあたり、同社が最も重視したのは採用そのものではなく、受け入れ体制の整備でした。

「採用の間口を広げることは必要ですが、教育設計が伴わなければ現場の不安は解消しません。入社後は現場任せにするのではなく、本社として伴走する体制を整えることが前提でした。」(日東寺様) 

現場では、日本語力や運転技術以前に、外国籍人材に対する先入観が存在することもあります。 
特に配送業務は納品先での挨拶や検品など、一定のコミュニケーション品質が求められる職種です。 

「業務ができるかどうか以前に、気持ちの部分が大きな壁でした。根拠のないマイナスイメージをどう解いていくか。それが一番の課題で、苦労しました。」(髙橋様) 

総務から営業所長や運行管理者との対話を重ね、懸念を一つずつ言語化。総務が継続的に支える方針を示しながら、段階的に受け入れ準備を進めました。 

■ 教育は属人化させない。営業所ごとの設計 

受け入れ後、現場で最も課題となったのは「意思疎通」でした。 

  • 翻訳アプリの活用 
  • 難解な表現を避けた説明 
  • 反復・復唱による理解確認 

こうした基本動作を徹底すると同時に、教育体制そのものも営業所ごとに再設計されています。 

「総務として現場に伴走しながら、『どのように育成していくか』をともに検討しました。その過程で、1名専任ではなく4名体制で教育を担当したいという提案が現場から挙がり、これを実施しています。 

また、総務側では導入後の状況について細かくヒアリングを行い、運用面の確認と改善を重ねています。現場の担当者も、一人の外国籍ドライバーを一人前に育てるには何が必要かを主体的に考えるようになりました。」(日東寺様) 
 
 

従来、日本人のドライバー経験者の採用では、一定の業務遂行能力が前提となるケースも多く、教育は比較的スムーズに進むことが大半です。そのため、複数人で育成方針を議論し、計画的に育てるというプロセス自体が、必ずしも常態化していたわけではありません。 

しかし今回の取り組みでは、教育担当者同士が意見を交わしながら方針を組み立てる場が生まれました。 

「複数人で話し合いながら育成を考える機会は、これまで多くはありませんでした。結果として、既存社員にとっても成長の機会になっていると感じています。この経験は会社にとってプラスと思っています。」(日東寺様) 

単に新たな人材を受け入れるのではなく、教育の在り方そのものを見直す契機とし、既存組織の成長へとつなげている点も、同社の取り組みの特徴です。 

■ 段階的な配属と稼働 

今回採用された2名は、理解のある営業所へ段階的に配属されました。 

  • 1名:増トン車でのセンター間配送 
  • 1名:2トン車でのルート配送(午前・午後それぞれ約10店舗) 

一定期間の教育を経て単独稼働へ移行しており、現場と本社が連携しながら経過を確認しています。 
※三郷営業所で稼働中の特定技能ドライバーのY 
 

■ 「一次情報」で判断する姿勢

インターネット上では、外国人労働者に関する否定的な情報も散見されます。 

しかし同社は、二次情報・三次情報ではなく、自らの現場で得られる一次情報を基に判断する姿勢を重視しています。 

「やってみなければ分からないことがあります。実際に受け入れ、教育し、現場でどう機能するかを見て初めて判断できる。そこを大切にしています。」(日東寺様) 

■ アズスタッフの支援体制 

本件では、弊社アズスタッフが登録支援機関として採用および受け入れ準備を支援しました。 
面談設定から手続き、進捗共有まで迅速な連携を行い、段階的導入をサポートしています。 

東日本トランスポート様からは、受け入れ体制構築にあたってのスピード感と伴走支援について一定の評価をいただいています。 

■ 今後の展望 

東日本トランスポート様は、成功事例を積み上げながら、受け入れ可能な営業所を段階的に拡大していく方針です。 
 
採用拡大を目的とするのではなく、 
教育・安全・定着を前提とした持続可能な体制づくりを軸に、今後も取り組みを進めていくとしています。 
 【株式会社東日本トランスポート概要】

東京都港区に本社を構える物流企業です。 

森永乳業グループの一員として、食品物流を中心とした高品質な輸配送サービスを提供し、関東圏を中心に事業を展開しています。 

同社は、常温・冷蔵・冷凍の3温度帯に対応した保管・配送体制を整えており、GMS・CVS・量販店向け配送や大手チェーン向け専用センターの運営など、幅広いニーズに応える総合物流ソリューションを実現しています。