特定技能者の給与はどう決める?日本人と同等以上の賃金設計
【監修者】木下洋輔 株式会社アズスタッフ 海外人材事業部 責任者
海外人材事業の立ち上げを統括し、現在は月の大半をアジア各国で過ごす。現地での採用面接会やドライバーの教育支援に奔走する傍ら、国内では営業として運送企業の新規開拓に従事。現場の悩みを知り尽くした視点から、外国人ドライバーと企業を繋ぐ架け橋として、日本の物流インフラを守るための人材戦略を提唱している。
1. 導入:外国人ドライバーの給与、その「正解」はどこにあるか?
「特定技能は、日本人と同じ給与を払わなければいけないのか?」
「手当や残業代はどう計算すれば、入管の審査を通るのか?」
採用を検討する経営者様から、必ずと言っていいほどいただく質問です。
特定技能制度には、「日本人と同等以上の報酬を支払うこと」という厳格なルールがあります。しかし、この「同等」という言葉の解釈に頭を悩ませている方は多いはずです。
もし、給与設定を誤れば、在留資格が許可されないばかりか、最悪の場合は法令違反として受け入れ停止措置を受けるリスクさえあります。今回は、制度のルールを遵守しながら、ドライバー本人のモチベーションを高め、かつ会社の経営を圧迫しない「納得感ある賃金設計」のポイントを徹底解説します。
2. 特定技能の絶対ルール「日本人と同等以上」の正しい解釈
特定技能制度における「同等以上の報酬」とは、単に「最低賃金を守ればいい」ということではありません。
比較対象となる「日本人」をどう設定するか
入管の審査では、以下の優先順位で比較対象の日本人を選定します。
- 社内の同等レベルの日本人: 年齢や経験年数が近い日本人ドライバーがいる場合、その社員と基本給・手当を合わせる必要があります。
- 社内に比較対象がいない場合: 会社の賃金規定に基づき、もしその年齢・経験の日本人が入社したらいくら支払うか、を基準にします。
- 近隣他社の相場: 地域や職種が同じ、近隣他社の賃金相場を参考にします。
注意すべき「実務上の落とし穴」
例えば、日本人ドライバーが「無事故手当」や「歩合給」を得ているなら、特定技能者にも同様の条件(基準をクリアすれば支給される仕組み)を適用しなければなりません。「外国人だから最初は手当なし」という設定は、制度上認められない可能性が高いのです。
3. 納得感を高める「手当」と「福利厚生」の作り方」
運送業界の賃金体系は、基本給を抑え、走った距離や件数に応じた手当で調整するケースが多いのが特徴です。これを特定技能者にも適用する際のコツを解説します。
役立つ手当の具体例
- 精勤手当・無事故手当: 日本人と同一基準で設定。彼らの「真面目に働く」特性と非常に相性が良く、モチベーションアップに直結します。
- 住居手当(または社宅制度): 外国人雇用では、会社が宿舎を用意するのが一般的です。家賃の自己負担額をいくらに設定するかで、実質的な手取り額が変わります。
「家賃・光熱費」の控除
「家賃を給与から天引きする」際には、必ず「労使協定」の締結が必要です。
また、実費(実際に会社が支払っている金額)を超える控除は認められません。
こうした細かいルールを遵守することが、クリーンな経営の証となります。
4. 賃金設計が「定着率」と「採用力」に直結する理由
今、特定技能人材側も「SNS」などを通じて全国の給与相場を把握しています。
- 「稼げる会社」に優秀層が集まる: 残業代が正当に支払われ、頑張りに応じた歩合がある会社には、驚くほど優秀な(日本語力や運転スキルの高い)人材が応募してきます。
- 安すぎる給与は「失踪・転職」のリスク: 生活が苦しいレベルの賃金設定は、他社への引き抜きや失踪の最大の引き金となります。再採用のコストを考えれば、適切な給与設定こそが最大の「防衛策」です。
5. アズスタッフが提案する「法令遵守&高定着」の賃金シミュレーション
アズスタッフでは、単に求人を出すだけでなく、貴社の現在の賃金規定を確認した上で、最適な賃金シミュレーションを作成します。 「入管の審査に通るか不安」「日本人社員とのバランスが難しい」といった悩みに、豊富な事例を基に回答。無理のない範囲で、外国人が「この会社でずっと働きたい」と思える条件を共に設計します。
6. まとめ:正しい賃金設定が、ホワイトな運送経営の第一歩
特定技能ドライバーの給与を考えることは、貴社の賃金体系そのものを見直す良い機会でもあります。 「日本人と同等以上」をポジティブに捉え、頑張りが報われる仕組みを整える。それが、外国人だけでなく、日本人からも選ばれる「強い運送会社」を創る近道です。
>>貴社の状況に合わせた「現実的な採用プラン」を専門家が提示します。 話を聞くだけでも大丈夫です。お気軽にご相談ください。


