運送業界では、ドライバーの高齢化と人手不足が深刻な課題となっています。令和6年2月には、新規求人倍率は2.6倍に達し、求人を出しても応募が集まらない状況が続いています。
また、大型免許を有するドライバーの多くが50歳以上という高齢化も深刻です。こうした中、2024年3月に特定技能制度の対象分野へ「自動車運送業」が追加されました。
しかし「特定技能の運転手はいつから実際に働けるのか」「採用準備はいつから始めるべきか」といった疑問を持つ企業も多いのではないでしょうか。
本記事では、特定技能外国人運転手の制度開始時期、評価試験のスケジュール、雇用可能になるタイミング、企業が今すぐ始めるべき準備について詳しく解説します。
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特定技能の運転手評価試験はいつから実施されている?
2024年3月29日、特定技能制度の対象分野に「自動車運送業」が追加されることが閣議決定されました。
これにより、トラック、バス、タクシーの運転手として外国人材を雇用できる法的枠組みが整備されました。制度の本格運用に向けて、2024年12月には特定技能1号評価試験の受付が開始され、2025年1月には自動車運送業分野特定技能協議会への加入受付が開始。
2025年3月には個人申込(CBT試験)による本格運用がスタートし、同年4月にはアサヒロジスティクスが国内初の特定技能ドライバーを正式採用しました。
参照:特定技能の受入れ見込数の再設定及び対象分野等の追加について(令和6年3月29日閣議決定) | 出入国在留管理庁
試験の合格率と出題内容
2025年1月に実施された試験では、業種ごとに合格率が異なり、タクシー部門が42.9%と最も難易度が高い結果となりました。
学科試験では、交通ルール、安全運転知識、貨物の取り扱い、法令順守、運転日報の記録方法など、実務に直結する内容が出題されます。実技試験では、運転操作の技能、車両点検の手順、日常点検の実施方法が評価されます。
トラック・タクシー・バス共通の基礎知識に加え、各業種固有の専門知識も問われるため、幅広い学習が必要です。試験は一般財団法人日本海事協会が実施しており、国内外で受験可能なため、母国で合格してから来日するケースもあります。
参照:アサヒロジスティクス/国内初の特定技能外国人ドライバーが入社
特定技能の運転手はいつから実際に働けるのか?
特定技能の運転手がいつから実際に働けるのか、制度開始から採用までのタイムラインと現状を見ていきましょう。
・2025年4月に国内初の特定技能ドライバーが採用され実務研修開始
・試験合格者が徐々に増加し、受け入れが本格化している段階
・企業の準備状況によって受け入れ時期が変動
海外から採用する場合のスケジュール
海外から特定技能外国人運転手を採用する場合、面接から入国まで3〜4ヶ月程度を要します。具体的な流れは、試験合格後にビザ申請を行い、在留資格認定証明書の交付を経て入国、その後新任運転者研修を実施してから配属となります。
ただし、この期間には入国前教育や日本の運転免許取得に要する期間は含まれていません。母国で評価試験に合格していても、日本の運転免許を取得するには教習所での講習と試験が必要となり、費用は20万円〜40万円程度かかります。
そのため、免許取得期間も含めると、実際の就業開始まではさらに時間を要する可能性があります。余裕を持って、計画的な採用スケジュールを立てましょう。
国内在留者を採用する場合のスケジュール
国内にすでに在留している外国人を採用する場合は、在留資格変更許可申請となるため、手続きが大幅に短縮されます。一般的には2〜3ヶ月程度で就業開始が可能です。
既に日本に滞在しているため、入国手続きや生活環境への適応にかかる時間が不要となり、よりスピーディーな配属が実現できます。ただし、採用前には日本語能力や運転免許の取得状況を必ず確認しましょう。
トラック運転手の場合、日本語能力試験N4以上、タクシーやバスの場合はN3以上が求められます。また、運転する車両に応じた中型または大型の運転免許を取得済みであることも重要な確認ポイントです。
特定技能の運転手を雇用するために企業はいつから準備すべき?
特定技能外国人運転手を受け入れるには、受け入れ企業が事前に整えるべき体制があります。
・自動車運送業分野特定技能協議会への加入
・安全性優良事業所の認証取得
・登録支援機関との連携体制構築
協議会への加入はいつまでに必要?
自動車運送業分野特定技能協議会は国土交通省が設置する組織で、受け入れ企業の適正化を図り、外国人材の適切な受け入れと保護を目的としています。
協議会への加入は、在留資格認定証明書交付申請または在留資格変更許可申請を行う前に完了している必要があります。加入申請から事務局での確認完了まで約1ヶ月程度を要するため、採用活動を開始する前に早めに申請するのが良いでしょう。
加入方法は、国土交通省のウェブサイトから申請書をダウンロードし、必要事項を記入して提出するだけで完了します。入会金や年会費は不要であり、費用負担なく加入できます。
安全性優良事業所の認証取得
特定技能外国人を受け入れるには、「運転者職場環境良好度認証制度(働きやすい職場認証制度)」に基づく認証、または全日本トラック協会による「Gマーク制度」に基づく認定を受けた安全性優良事業所を有していなくてはなりません。
Gマーク制度はトラック分野のみが対象となっており、タクシーやバスの場合は働きやすい職場認証制度が適用されます。これらの認証・認定を取得していない場合は、特定技能外国人を受け入れることができないため、採用計画を開始する前に申請を検討する必要があります。
なお、貨物軽自動車運送事業のみを行っている事業者は認証・認定の対象外となるため、受け入れできません。
登録支援機関との連携体制構築
特定技能外国人の受け入れには、生活面や就労面でのサポート体制が必要です。自社で支援体制を整えるか、外部の登録支援機関と提携するかを検討しましょう。
具体的には、住居の確保、日本語支援、生活サポート、行政手続きの支援などが求められます。外国人ドライバードットコムでは、検討段階からの相談に対応しており、企業の状況に応じた最適なサポートプランを提案しています。
入国前後の日本式運転教育や、日々の困りごとのカウンセリングなど、一貫したサポート体制を整えることで、外国人材が安心して働ける環境を構築できるでしょう。
特定技能の運転手を採用する具体的な流れとスケジュール
特定技能外国人運転手の採用は、以下のステップで進めます。

まず、外国人ドライバーの採用に対応している登録支援機関や人材紹介会社に問い合わせを行います。外国人ドライバードットコムでは、検討段階からの相談を受け付けているので、お気軽にご相談ください。
次に、給与、勤務地、業務内容、勤務時間、休日などの雇用条件を明確に定めた求人内容を確定させましょう。
並行して、自動車運送業分野特定技能協議会への加入手続きを開始します。確認に約1ヶ月を要するため、早めに申請しましょう。
協議会への加入が完了したら、国内在留者と海外人材の両方を対象に募集を開始します。選考では、書類選考、オンライン面接、必要に応じて現地面接を実施し、適性を見極めましょう。
そして、選考を通過した候補者に内定を出し、雇用契約を締結します。その後、必要書類を準備して出入国在留管理局へ在留資格認定証明書交付申請を行います。審査期間は通常1〜3ヶ月程度です。
証明書が交付されたら、候補者に送付し、母国の日本大使館または領事館でビザ申請を行います。ビザが発給されれば、いよいよ入国です。入国後は、道路運送法で義務付けられている新任運転者研修を実施してから乗務を開始します。
海外から採用する場合、面接から入国まで3〜4ヶ月程度を要します。一方、国内在留者の場合は在留資格変更許可申請となるため、手続きが短縮され、2〜3ヶ月程度で就業開始が可能です。
特定技能の運転手になるための要件
特定技能外国人運転手を採用する際、企業が把握しておくべき外国人材側と企業側の要件があります。
・外国人材側:免許取得、試験合格、日本語能力
・企業側:協議会加入、事業許可、安全性優良事業所
外国人材側の要件
外国人が特定技能運転手として働くには、まず日本の運転免許を取得する必要があります。トラックの場合は中型または大型免許、タクシーやバスの場合は第二種運転免許が求められます。
免許取得の方法は大きく分けて2つです。
1つ目は、母国で取得した有効な運転免許を日本の免許に切り替える方法です。これは「外免切替」と呼ばれ、免許取得国に通算3か月以上滞在していたことをパスポート等で証明できれば利用できます。運転免許センターで書類審査、適性検査、知識確認、技能確認を受ける必要がありますが、国によっては学科試験や技能試験が一部免除される場合もあります。
2つ目は日本で新規に取得する方法です。教習所での講習と試験合格が必要となり、費用は20万円〜40万円程度かかります。免許取得以外にも、自動車運送業分野特定技能1号評価試験に合格することが必須です。
日本語能力については、トラックの場合はN4以上、タクシーやバスの場合はN3以上が求められます。その他、18歳以上であること、健康状態が良好であることも基本要件となります。
なお、海外に居住している外国人の場合は、特定技能評価試験と日本語試験に合格した後、特定活動期間中に日本の運転免許を取得する流れです。この特定活動期間はトラックドライバーで最長6か月、タクシーやバスドライバーで最長1年と定められています。
企業側の要件
受け入れ企業側は、自動車運送業分野特定技能協議会の構成員になることが必須です。また、道路運送法に基づく事業許可を保有していることが前提条件となります。
・トラック運送業の場合:「一般貨物自動車運送事業」の許可(第二種貨物利用運送事業を含む)
・タクシー運送業の場合:「一般乗用旅客自動車運送事業」の許可
・バス運送業の場合:「一般乗合旅客自動車運送事業」または「一般貸切旅客自動車運送事業」の許可
が必要です。
さらに、「運転者職場環境良好度認証制度(働きやすい職場認証制度)」に基づく認証、または全日本トラック協会による「Gマーク制度」に基づく認定を受けた安全性優良事業所を有していることが求められます。
特定技能の運転手の求人はいつから出せる?
特定技能外国人運転手の求人は、現在すでに掲載が可能です。2024年12月から評価試験が開始され、試験合格者が徐々に増加しているため、早めの求人掲載が優秀な人材を確保する上で有利に働くでしょう。
国内在留者と海外人材の両方から募集が可能であり、企業のニーズに応じて柔軟な採用活動を展開できます。外国人ドライバードットコムでは即日面接にも対応しており、スピーディーな選考プロセスを実現しています。
ただし、求人を掲載する前に、自動車運送業分野特定技能協議会への加入や安全性優良事業所の認証取得など、受け入れ要件を満たしておくのが良いでしょう。有効求人倍率2.6倍という厳しい人材競争の中、特定技能制度を活用することで、新たな採用チャネルを獲得し、計画的な人材確保が可能になります。
特定技能の運転手はいつまで働ける?
特定技能1号の在留資格では、最長5年間の就労が可能です。この期間は、採用から育成までの投資を確実に回収できる十分な期間といえます。
将来的には特定技能2号への移行も検討されており、さらに長期にわたる雇用が期待できます。特定技能2号に移行すれば、在留期間の更新回数に制限がなくなり、実質的に無期限の雇用が可能になるため、ベテランドライバーとして長期的に活躍してもらうことが可能です。
また、特定技能以外の在留資格への変更も選択肢の一つとなりえます。例えば、「技術・人文知識・国際業務」など、他の在留資格に変更することで、さらに幅広いキャリアパスを描くことも可能です。
企業は、外国人材の成長とキャリアを見据えた計画的なキャリアパス設計を行うことが重要です。
特定技能の運転手採用は今がチャンス|早期準備で人材確保を
本記事では、特定技能外国人運転手の制度開始時期、評価試験のスケジュール、採用フローについて解説しました。2024年3月に自動車運送業が特定技能制度の対象分野に追加され、2025年4月には国内初の特定技能ドライバーが採用されるなど、制度が本格的に動き始めています。
外国人ドライバーの採用には複雑な手続きが伴いますが、専門機関のサポートを活用することでスムーズに進められます。人手不足と高齢化に悩む運送業界にとって、20代から30代を中心とした意欲的な特定技能外国人は、将来の事業継続と拡大を支える貴重な人材となるでしょう。
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