日本人より定着する?特定技能活用による「辞めない組織」作り
【監修者】木下洋輔 株式会社アズスタッフ 海外人材事業部 責任者
海外人材事業の立ち上げを統括し、現在は月の大半をアジア各国で過ごす。現地での採用面接会やドライバーの教育支援に奔走する傍ら、国内では営業として運送企業の新規開拓に従事。現場の悩みを知り尽くした視点から、外国人ドライバーと企業を繋ぐ架け橋として、日本の物流インフラを守るための人材戦略を提唱している。
1. 人手不足の真因は「採用」ではなく「離職」にある
「せっかく多額の広告費をかけて採用したのに、数ヶ月でまた辞めてしまった……」
運送会社の経営者様が抱えるストレスの大部分は、この「離職」に起因しているのではないでしょうか。
ドライバーの入れ替わりが激しい組織では、教育コストが垂れ流しになるだけでなく、配車計画の不安定化や既存社員の疲弊を招き、さらなる離職を呼ぶ悪循環に陥ります。
今、運送業界に求められているのは、単なる「補充」ではなく「定着」です。
そこで注目されているのが、特定技能ドライバーの活用です。意外に思われるかもしれませんが、適切な管理下における特定技能人材の定着率は、日本人の若手層を大きく上回るケースが多々あります。
2. 特定技能の特性:なぜ「定着」が計算できるのか
特定技能ドライバーが安定した戦力になる理由は、彼らのマインドセットと制度上の仕組みにあります。
転職には「同一職種・同一条件」のハードルがある
特定技能外国人は、日本人と同様に転職の権利が認められています。しかし、実際には日本人ほど頻繁に職場を変えることはありません。
- 手続きの負担: 転職するたびに入管への届け出や在留資格の再確認が必要であり、本人にとっても大きな心理的・事務的負担となります。
- 職種の限定: トラックドライバーとして入国した場合、他職種(工場や建設など)へ簡単に移ることはできません。
「5年間」という明確な時間軸
特定技能1号の在留期間は最長5年。彼らはこの5年間で「家族のために稼ぐ」「技術を身につける」という明確な目標を持って来日しています。場当たり的に仕事を転々とするよりも、一箇所で信頼を築き、給与を上げ、2号へのステップアップ(無期限就労の道)を狙う方が、彼らにとってもメリットが大きいのです。
- 内容: 日本人ドライバー(若手)と特定技能ドライバーの「平均勤続年数」または「離職理由の比較」の図解。
- 意図: 日本人特有の「一身上の都合」に対し、特定技能は「目的意識」が強いことを示す。
- 推奨引用元: 厚生労働省「雇用動向調査」、出入国在留管理庁「特定技能外国人の就労状況」
3. 「特定技能2号」を見据えた、長期定着のインセンティブ設計
「5年経ったら帰ってしまうのでは?」という懸念も、現在は過去のものになりつつあります。
家族帯同も可能な「2号」への道
自動車運搬業においては、まだ「特定技能2号」への移行が可能ではありません。
ですが、対象11分野に「運送業」も加わる可能性は非常に高いと考えています。そうなれば、在留期間の更新制限がなくなり、家族を日本に呼ぶこともできます。 会社側が「5年で終わりではなく、2号を目指す。応援する。」という姿勢を示すことは、彼らにとってこれ以上ない強力な定着のインセンティブになります。
会社への「帰属意識」を育てる
彼らは「自分を必要としてくれる場所」に対して、驚くほど強い忠誠心を持ちます。誕生日を祝う、定期的な食事会を開くといった、日本人が忘れがちな「温かいコミュニケーション」が、彼らにとっての「辞めない理由」に直結します。

引用元:法務省 出入国在留管理庁「外国人材の受入れ及び共生社会実現に向けた取組」
4. 組織が若返ることで、日本人社員の離職も減る
特定技能人材が定着し、現場が20代・30代中心に活気づくと、不思議なことに日本人社員の離職率も下がる傾向にあります。
- 「教える文化」の醸成: ベテラン社員が外国人に技術を伝えることで、自身の仕事に誇りを再認識します。
- 将来不安の解消: 「人が集まらない、いつ潰れるかわからない会社」から「若手が次々育つ、活気ある会社」へ変わることで、日本人社員も安心して長く働けるようになります。
5. アズスタッフが実践する「定着率90%超」の伴走支援
アズスタッフでは、採用を「ゴール」ではなく「定着のスタート」と定義しています。
- 入国後の定期フォロー: 母国語でのカウンセリングを通じ、不満や不安の芽を早期に摘み取ります。
- 2号移行へのロードマップ作成: 本人と会社の双方が長期的な視点を持てるよう、キャリア支援を代行します。
「辞めない組織」を作るためには、経営者様の熱意と、それを支える専門家の客観的な視点の両方が欠かせません。
6. まとめ:定着こそが、運送経営の「最大の利益」を生む
離職が一人出るたびに、採用費、教育費、配車効率の低下など、数百万円規模の損失が発生しています。 特定技能という「辞めにくい」仕組みを賢く利用し、彼らを家族のように大切に育てる。その決断が、貴社を「万年人手不足」から「安定成長を続ける強豪企業」へと変えるはずです。
>>貴社の状況に合わせた「現実的な採用プラン」を専門家が提示します。 話を聞くだけでも大丈夫です。お気軽にご相談ください。


