特定技能ドライバーの外免切り替えとは?日本の運転免許取得の条件・注意点・手続きを解説
【監修者】木下洋輔 株式会社アズスタッフ 海外人材事業部 責任者
海外人材事業の立ち上げを統括し、現在は月の大半をアジア各国で過ごす。現地での採用面接会やドライバーの教育支援に奔走する傍ら、国内では営業として運送企業の新規開拓に従事。現場の悩みを知り尽くした視点から、外国人ドライバーと企業を繋ぐ架け橋として、日本の物流インフラを守るための人材戦略を提唱している。
物流業界ではドライバー不足が深刻化しており、2024年3月から特定技能制度の対象分野(産業分野)に「自動車運送業」が追加されました。今回の制度追加により、トラック・タクシー・バスドライバーとして働く外国人の受入れを希望する企業が増えています。国際的に見ても人手不足の解消は物流業界共通の課題であり、採用市場のグローバル化が進む中で、海外で運転経験を積んだ人材の確保・活用を検討する企業は2026年以降もさらに増えると見込まれます。
しかし、特定技能外国人ドライバーが日本で運転業務に従事するには、日本の運転免許の取得が必須です。すでに母国の免許を持つ人材が利用できる「外免切り替え(外国免許切替)」は有力な選択肢ですが、条件・注意点・手続きへの正しい理解なしでは就業開始まで想定以上の時間がかかります。特定技能1号の「特定活動」期間中に免許取得まで完了させる必要がある点も、企業側が事前に押さえておきたいポイントです。
この記事では、特定技能ドライバーの外免切り替えの仕組みや取得方法、就労までの流れ、企業が注意すべきポイントについて解説します。運送業の採用担当者・経営者の方に向けて、現場の実績をもとにまとめています。
目次
1. 特定技能ドライバーとは?制度概要と在留資格
特定技能制度とは、国内で人手不足が深刻な特定の産業分野において、一定の専門性・技能を持つ外国人が働ける在留資格制度です。2019年4月に創設され、自動車運送業は2024年3月に新たな対象分野として追加されました。対象となる産業は自動車運送業のほか介護・建設・農業など多岐にわたりますが、本記事では自動車運送業(運送業)に絞って概要を解説します。
特定技能(自動車運送業)では、以下の3つの業務区分で外国人ドライバーの受入れが認められています。各業種によって従事できる業務の範囲や必要な免許の種別が異なる点に注意が必要です。下記に業種別の一覧をまとめます。
・トラック運送業(普通・準中型・中型・大型免許)
・タクシー運送業(普通免許+第二種免許)
・バス運送業(大型免許+第二種免許)
特定技能には「1号」と「2号」がありますが、自動車運送業分野で受入れが認められているのは特定技能1号です。
| 項目 | 特定技能1号 | 特定技能2号(自動車運送業) |
|---|---|---|
| 在留期間 | 法務大臣が個々に指定する期間 (3年を超えない範囲)。通算で 原則5年以内 |
対象外 |
| 家族帯同 | 原則不可 | 対象外 |
| 雇用契約 | 雇用契約の締結が必須 | 対象外 |
| 日本語要件 | トラック:JFT-Basicまたは JLPT N4以上/タクシー・バス: JLPT N3以上 |
対象外 |
| 在留資格取得方法 | 特定技能1号評価試験+日本語試験等の 要件を満たす |
対象外 |
| 日本の運転免許 | 就労開始までに業務に必要な 日本の運転免許を保有 |
対象外 |
自動車運送業分野の特定技能1号として運転業務に従事するには、有効な日本の運転免許が必要です。海外から受け入れる外国人が日本の運転免許取得等の準備を行う場合は、在留資格「特定活動(特定自動車運送業準備)」を利用でき、その在留期間はトラック運転者が6か月、タクシー・バス運転者が1年で、更新はできません。次の章から、外免切り替えの仕組みについて詳しく説明していきます。
2. 外免切り替えとは?仕組みと利用できる条件
外免切り替えとは、外国で取得した有効な運転免許証を基に、日本の運転免許を取得するための手続きです。各都道府県警察の運転免許試験場・運転免許センター等で申請します。特定技能外国人に限った制度ではなく、法令上の要件を満たす外国免許保有者が対象です。
母国ですでに運転経験を持っている外国人にとっては、日本の教習所へ通って新たに取得するよりも時間・費用を抑えられる場合があります。ただし、この制度を利用するためには以下の条件(要件)をすべて満たしている必要があります。
外免切り替えを利用できる主な条件
| 項目 | 特定技能1号 | 特定技能2号(自動車運送業) |
|---|---|---|
| 在留期間 | 法務大臣が個々に指定する期間 (3年を超えない範囲)。通算で 原則5年以内 |
対象外 |
| 家族帯同 | 原則不可 | 対象外 |
| 雇用契約 | 雇用契約の締結が必須 | 対象外 |
| 日本語要件 | トラック:JFT-Basicまたは JLPT N4以上/タクシー・バス: JLPT N3以上 |
対象外 |
| 在留資格取得方法 | 特定技能1号評価試験+日本語試験等の 要件を満たす |
対象外 |
| 日本の運転免許 | 就労開始までに業務に必要な 日本の運転免許を保有 |
対象外 |
外国運転免許証の日本語翻訳文は、免許証の発給機関や在日の大使館・領事館のほか、国家公安委員会が認めた・指定した機関等が作成したものが必要です。また、発給国・地域によって追加書類が必要となる場合があります。 )
発給国・地域別に確認したいポイント
外免切り替えでは、外国免許証の発給国・地域や免許証の記載内容によって、確認資料が追加で必要になる場合があります。申請前に、受験する都道府県警察の案内で必要書類を確認してください。
・日本語翻訳文:免許証の発給機関、在日の大使館・領事館、JAFなど法令上認められた作成者による翻訳文を用意する
・免許取得日の確認:免許証だけで取得日が確認できない場合は、運転免許経歴証明書など追加資料を求められることがある
・滞在期間の確認:免許取得後に発給国・地域へ通算3か月以上滞在したことを、パスポート等で確認できるようにする
必要書類や受付方法は都道府県警察によって異なるため、申請先の運転免許試験場・運転免許センターの最新案内を事前に確認することが重要です。
3. 外免切り替えの手続きの流れ(STEP別解説)
外免切り替えの手続きの流れは、大きく以下の6ステップで行われます。各ステップにかかる時間と注意点を把握しておくことで、稼働開始までのスケジュールを正確に見込むことができます。特に運転免許試験場の予約は混雑期に集中しやすいため、早めの申し込みを心がけましょう。
| STEP | 内容 | 目安期間 | 主な注意点 |
|---|---|---|---|
| STEP1 書類準備 | 外国運転免許証・パスポート・ 在留カード・住民票・日本語翻訳文・ 証明写真等を揃える |
1〜3週間 | 翻訳文は、免許証の発給機関、 在日の大使館・領事館、JAFなど 法令上認められた作成者による ものが必要 |
| STEP2 申請・受付 | 運転免許試験場(センター)の窓口で 申請書類を提出 |
半日 | 都道府県ごとに受付時間・ 必要書類が異なる。事前に 確認のうえ運転免許試験場 への予約を行うこと |
| STEP3 適性試験 | 視力・色彩識別能力・運動能力の確認 | 当日 | 眼鏡・コンタクト使用者は当日持参を忘れずに |
| STEP4 知識確認 (筆記試験・学科試験) |
日本の交通法規・ルールに関する試験 (50問・9割以上で合格) |
当日 | 2025年10月以降は50問・ 90%以上。受験可能言語は 都道府県警察の案内で 確認する |
| STEP5 技能確認 (実技試験) |
試験コースでの実技走行。 安全確認・合図・右左折・ 横断歩道での停止等を審査 |
当日〜後日 | 2025年10〜12月の技能確認の 通過率は13.1%(警察庁)。 横断歩道の通過等の課題が 追加され、採点基準も厳格化 |
| STEP6 免許証の交付 | 全試験合格後に日本の運転免許証が交付される | 即日〜数日 | 交付後も業務開始前に社内での 横乗り教育(安全確認・ 車両操作研修)を実施 することを推奨 |
必要書類一覧
・外国の運転免許証(原本・有効なもの)
・外国の運転免許証の日本語翻訳文(免許証の発給機関、在日の大使館・領事館、JAFなど法令上認められた作成者によるもの)
・パスポート(在留期間・滞在記録が確認できるもの)
・在留カード
・住民票の写し(外国人は在留資格・在留期間等の特定事項が記載されたもの)
・証明写真(規定サイズ・枚数は都道府県により異なる)
・手数料(都道府県によって異なる)
日本語要件と申請サポートについて
特定技能(自動車運送業)の日本語要件は業務区分で異なります。トラック運転者は国際交流基金日本語基礎テストまたは日本語能力試験(JLPT)N4以上、タクシー・バス運転者はJLPT N3以上が必要です。一方、外免切り替え自体に日本語能力試験の合格証明は必須ではありません。知識確認は50問・90%以上が基準で、複数言語で実施している都道府県警察もあるため、受験可能言語は申請先に確認してください。
書類作成や在留資格の申請手続きに不安がある場合は、行政書士に代行を依頼する方法もあります。特に在留資格の変更・更新申請は専門性が高いため、行政書士のサポートを受けながら進める企業も少なくありません。
外免切り替えにかかる費用の目安
外免切り替えの費用は教習所での新規取得に比べて安価な傾向にありますが、都道府県や翻訳文の発行元によって金額に差があります。事前に相場を把握しておくことで、採用計画の予算立てがしやすくなります。
| 費目 | 金額目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 試験手数料(普通一種の例) | 2,500円 | 免許種別により異なる |
| 交付等手数料(免許証のみの例) | 2,350円 | 免許証の保有形態等により異なる |
| 翻訳文発行費用 | 5,000〜10,000円程度 | 作成機関により異なる |
| 適性検査・写真代 | 数百〜数千円 | 会場・都道府県により異なる |
| 補習・対策講習費 (教習所を併用する場合) |
数万円程度 | 実技対策として活用する企業も増えている |
外免切り替えの手数料は免許種別や免許証の保有形態等によって異なります。たとえば普通一種で「免許証のみ」を希望する場合、福岡県警察の案内では試験手数料2,500円と交付等手数料2,350円の合計4,850円です。これに翻訳文の作成費用や写真代、必要に応じた講習費等が加わります。
4. 2025年10月〜の厳格化による注意点
2025年10月1日から、外免切り替えの住所確認と知識・技能確認が厳格化されました。これは自動車運送業が特定技能制度の対象分野に追加されたこととは別の、外免切り替え制度そのものの見直しです。知識確認は10問から50問へ増え、通過基準も70%以上から90%以上へ引き上げられました。
| 変更項目 | 厳格化前(〜2025年9月) | 厳格化後(2025年10月〜) |
|---|---|---|
| 知識確認の問題数 | 10問 | 50問(交通法規の各分野から幅広く出題) |
| 合格基準 | 7割以上(7問正解) | 9割以上(45問正解) |
| 住所要件 | 比較的簡易な確認 | 原則として住民票の写しを添付。 短期滞在者は申請不可 (外交官等の例外あり) |
| 対象者 | 短期滞在者も一部対応可 | 短期滞在者は申請不可。 住民票を取得できない 一定の者には例外規定あり |
| 試験難易度 | 旧基準 | 知識・技能確認の審査基準を 新規免許取得時と同水準まで 引き上げ |
警察庁によると、厳格化後の2025年10〜12月の通過率は、知識確認が42.8%、技能確認が13.1%でした。2024年中はそれぞれ92.5%、30.4%であり、厳格化後はいずれも低下しています。採用計画では再受験等に要する期間も見込んでおく必要があります。 /
5. 入国から稼働開始までの期間目安
「特定技能ドライバーを採用したが、実際にトラックを運転できるのはいつになるのか?」これは運送業の経営者・採用担当者が最も希望する情報の一つです。
| フェーズ | 内容 | 期間目安 |
|---|---|---|
| ①入国・住民登録 | 在留カード取得・住民票の登録 (外免切り替えの大前提) |
入国後1〜2週間 |
| ②書類準備・申請 | 外国免許の翻訳・住民票取得・ センターへの申し込み |
1〜3週間 |
| ③知識確認の学習 | 50問・90%以上の通過基準に 向けた交通ルール学習 (受験可能言語は申請先で確認) |
1〜2か月 |
| ④知識確認(筆記)受験 | 予約〜受験(混雑時はさらに時間が必要) | 数週間 |
| ⑤技能確認(実技)受験 | 知識確認合格後、実技受験 | 数週間 |
| ⑥免許証交付・稼働開始 | 合格後に交付された運転免許証で業務に従事 | 即日〜数日 |
日本の運転免許取得等の準備のため在留資格「特定活動(特定自動車運送業準備)」を利用する場合、その在留期間はトラック運転者が6か月、タクシー・バス運転者が1年で、更新はできません。期間内に運転免許取得等を終えた場合は、速やかに特定技能1号への在留資格変更許可申請を行う必要があります。企業側は予約状況や本人の学習状況を踏まえて余裕のある計画を立てることが重要です。
6. 外免切り替えと教習所取得、どちらがよいか
外国人が日本の運転免許を取得する方法は外免切り替えだけではありません。日本の教習所に通って新規に取得する方法もあります。それぞれの特徴を比較します。
| 比較項目 | 外免切り替え | 教習所での新規取得 |
|---|---|---|
| 期間 | 最短数か月(準備・学習次第) | 2〜4か月(車種・コースによる) |
| 費用 | 比較的低コスト(数千円〜1万円台) | 高額(20〜50万円程度が目安) |
| 利用条件 | 有効免許・通算3か月以上滞在等の 条件を満たす必要がある |
原則誰でも受講可能 |
| 日本語力 | 知識確認は50問・90%以上。 受験可能言語は都道府県警察の 案内で確認 |
教習はほぼ日本語で行われる |
| 合格確実性 | 技能確認で不通過となる可能性あり (2025年10〜12月の 通過率13.1%) |
卒業後の試験合格率は高い |
| 2025年以降リスク | 2025年10月から住所確認・ 知識確認・技能確認が厳格化 |
制度変更の影響を受けにくい |
| 向いている人材 | 母国での運転経験が豊富・ 日本語学習が進んでいる |
要件を満たせない・確実に取得したい |
運送業界の実績から見ると、外免切り替えに挑戦しつつ不合格に備えた別の取得方法(教習所等)も並行して準備しておくことが最もリスクの少ない対応です。両者の違いを踏まえたうえで、当社のサービスでは状況に応じた最適なプランをご紹介しています。採用担当者・経営者の方が安心して受け入れを進められるよう、現場の実績に基づいたサポートを行っています。
7. 企業(運送業)の受入れ対応と雇用時の確認事項
特定技能外国人を受入れる企業(特定技能所属機関)には、雇用契約の締結・在留資格の申請支援・支援計画の策定など様々な義務が課せられます。免許取得を最短で完了させるためには、企業側の積極的な関与と体制整備が欠かせません。運送事業を営む企業にとって、外国人材の受け入れは経営上の重要な判断であり、人事・採用担当者だけでなく経営層も含めた社内体制づくりが求められるケースも増えています。専門知識を持つ相談窓口を社内外に設置しておくと、契約を締結する段階でのトラブルを未然に防ぎやすくなります。採用を検討する段階から、受入れ後の支援体制の概要を社内で共有しておくことをおすすめします。
雇用前に企業が確認すべき3つのポイント
今回の採用を検討する際、以下3つの点を必ず事前に確認してください。
①外国運転免許の取得状況:有効期限・取得国・取得後の滞在期間(通算3か月以上の条件を満たすか)
②国籍と翻訳文の取得方法:国籍によって認められる翻訳機関・証明書類が異なる。事前確認が必須
③就業開始時期の計画:免許取得にかかる期間(最短3〜4か月)を見込んだ採用スケジュールの設計
受入れ後に企業が行うべき主な支援
| 支援項目 | 内容 | 重要度 |
|---|---|---|
| 住民票の登録支援 | 特定技能外国人が外免切り替えを申請するため、 入国後すみやかに住民登録を行う |
★★★ |
| 試験センターへの案内・送迎 | 慣れない行政手続きを会社がサポート。本人が 学習に集中できる環境を整える |
★★★ |
| 練習環境の提供 | 無免許運転にならないよう、 教習所等の適法な練習環境や 学習機会を確保する |
★★★ |
| 日本語・交通ルール学習の支援 | 交通ルール学習を支援。知識確認の受験可能言語 は申請先の都道府県警察で確認 |
★★★ |
| 研修・横乗り教育の実施 | 免許取得後、公道に出る前に 社内のベテランによる安全研修・ 横乗り教育を実施 (例:配送コースの車前走行・ 緊急時の対応訓練) |
★★ |
| 定期面談・法定届出 | 支援計画に基づく面談等を実施し、 出入国在留管理庁への 必要な届出を行う |
★★ |
| 代替プランの準備 | 外免切り替えが不合格でも 帰国させずに済む別の取得 プランを事前に用意しておく |
★★★ |
特定技能1号では「1号特定技能支援計画」の策定と実施が義務づけられており、これらの支援を自社で行うか、登録支援機関に委託するかを雇用契約の締結前に決定しておく必要があります。日本人スタッフとの育成体制・関連業務の役割分担なども、採用計画の段階から整えておくことが大切です。
業種によって求められる車両・研修内容は異なりますが、一般的には、免許取得後すぐに単独で業務にあたらせるのではなく、ベテラン社員の同行のもとで実技試験の内容を踏まえた実車教育を行う企業が多く見られます。母国での運転経験があっても、日本の交通ルール・車両感覚に慣れるまでは一定の教育期間を設けることが目的にかなった対応といえるでしょう。採用担当者の方は、まずお気軽にご相談ください。貴社の状況に合わせた受入れプランをご案内します。
8. 業界別(トラック・タクシー・バス)の注意点
自動車運送業の中でも、業種によって求められる免許の種類が異なります。業界別の注意点を確認しましょう。
タクシー・バスについては、外免切り替えで基礎免許を取得したのち、さらに第二種免許・大型免許の取得が必要になります。これらの業種では稼働開始まで1年近くかかるケースもあるため、採用計画の段階からこの点を踏まえたスケジュール管理と、途中で帰国リスクが発生しないよう代替プランの準備が必須です。車両の種類や配送・輸送業務の状況に応じて必要な免許・研修内容が変わるため、業務内容を具体的に洗い出したうえで採用計画を立てることをおすすめします。
運送業の許可制度との関係
自動車運送業を営むには、国土交通省が定める運送事業の許可申請を行い、車両の整備状況や運行管理体制について継続的な確認を受ける必要があります。特定技能外国人ドライバーを雇用する場合も、この運送事業許可を持つ企業であることが大前提です。また、外免切り替えの試験場での手続きと合わせて、自社の運行管理体制が最新の基準を満たしているかを確認しておくことをおすすめします。
9. 外免切り替えで失敗しないための5つのポイント
外免切り替えは正しく準備を進めれば十分に実現可能な制度ですが、情報不足や準備不足によって不合格・稼働遅延に陥るケースも少なくありません。ここでは、現場での支援実績をもとに、失敗を防ぐための重要なポイントを整理します。
①早期の住民票登録を徹底する:外免切り替えのすべての手続きは住民票の登録が前提となります。入国後は速やかに住民登録を行い、申請までのリードタイムを最小化しましょう。
②知識確認対策を早めに始める:2025年10月の厳格化以降、50問中90%以上の正答が求められます。知識確認は複数言語で実施している都道府県警察もあるため、受験可能言語を確認したうえで、日本の交通ルールを十分に学習しておくことが重要です。
③ 実技試験は日本特有の運転マナーを重点的に学ぶ:安全確認・合図のタイミング・一時停止など、母国と異なる基準で審査されるため、模擬コースでの練習や動画教材の活用が効果的です。パスポート・在留カードなど必要書類の不備がないよう、事前に一つひとつ確認しておくことも大切です。
④ 不合格を前提とした代替プランを用意する:警察庁によると、2025年10〜12月の技能確認の通過率は13.1%でした。1回で通過できない可能性も考慮し、再受験のスケジュールや別の免許取得方法を検討しておくことが重要です。
⑤ 企業側のサポート体制を早期に構築する:住民登録や申請先の確認、学習時間の確保など、企業側が手続きを支援できる体制を整えておくことが重要です。特定技能所属機関には、1号特定技能外国人支援計画に基づく支援や法定の届出等も求められます。
これらのポイントを押さえることで、外免切り替えの成功率を高め、稼働開始までの期間を最短化することができます。
10. よくある質問(FAQ)
Q1. 特定技能外国人は外免切り替えを利用しなければ日本で働けませんか?
A. いいえ。日本の教習所に通って新規に免許を取得する方法もあります。外免切り替えは利用条件を満たす場合の選択肢の一つです。条件を満たせない場合や合格が難しい場合は、教習所での取得や別の方法を検討してください。当社では業種・企業ごとの状況に応じたプランをご案内していますので、採用をご検討の際はお気軽にご相談ください。
Q2. 外免切り替えを利用すればすぐに働けますか?
A. 申請から取得までの期間は、予約状況、必要書類、知識・技能確認の受験回数などによって異なります。日本の運転免許取得等の準備のため「特定活動(特定自動車運送業準備)」を利用する場合、在留期間はトラックが6か月、タクシー・バスが1年で、更新はできません。
Q3. 国籍によって外免切り替えの手続きは変わりますか?
A. 基本的な要件は共通ですが、外国免許証の発給国・地域や記載内容によって、追加の確認資料が必要になる場合があります。日本語翻訳文の作成者も法令上定められているため、申請先の都道府県警察の案内を事前に確認してください。
Q4. 外免切り替えに不合格だった場合はどうなりますか?
A. 在留資格の期間内に免許を取得できなかった場合、帰国を余儀なくされるケースがあります。採用コスト・賃金・渡航費が損失となるため、外免切り替えに依存しない別の取得プランを事前に準備しておくことが重要です。
Q5. 外免切り替えで取得できる免許はトラックだけですか?
A. いいえ。外免切り替えで取得できる免許の種類(普通・準中型・中型・大型)は、外国で取得していた免許の種別や都道府県の判断によって異なります。タクシー・バスに必要な第二種免許は、外免切り替えでは取得できず別途手続きが必要です。
Q6. 受入れ企業(法人)はどこまでサポートする義務がありますか?
A. 特定技能所属機関には、1号特定技能外国人支援計画の作成・実施や、必要な面談、出入国在留管理庁への法定届出などが求められます。定期届出は現在、原則として年1回です。免許取得そのものの支援は別途、受入れ計画に応じて検討します。
Q7. 既に日本に在留している外国人でも外免切り替えを利用できますか?
A. 在留資格を有し住民票が登録されている外国人であれば利用できます。ただし、免許を取得した国に通算3か月以上滞在していたことが条件です。在留期間の残存期間も考慮したうえで、手続きのタイミングを計画してください。
Q8. 自動車運送業分野で特定技能2号へ移行できますか?
A. 2026年8月時点で、自動車運送業分野は特定技能2号の対象外です。自動車運送業分野で受入れが認められているのは特定技能1号であり、1号の在留期間は通算で原則5年以内です。
Q9. 雇用契約の締結はいつ決定すればよいですか?
A. 一般的には、在留資格の申請を行う前の段階で雇用契約を締結しておく必要があります。免許取得までの期間や支援体制の目的を採用担当者・現場双方で共有したうえで、契約内容を決定することをおすすめします。
Q10. 特定技能ドライバーは転職できますか?
A. 同一の業務区分内であれば、特定技能外国人は転職が可能です。ただし転職の都度、新たな受入れ企業(法人)との雇用契約の締結や在留資格に関する変更手続きが必要になります。受入れ企業としては、契約内容を明確にし、定着支援に力を入れることが転職防止にもつながります。
11. まとめ
今回の記事では、特定技能ドライバーの外免切り替えについて制度概要から手続き・注意点・企業の対応まで解説しました。採用をご検討中の企業様は、貴社の状況に合わせて以下の要点を確認してみてください。
・特定技能ドライバーが日本でトラック・タクシー・バスを運転するには日本の運転免許の取得が必須
・外免切り替えは利用条件(有効免許・通算3か月以上滞在・住民票登録等)をすべて満たす必要がある
・2025年10月〜の厳格化で知識確認は50問・9割以上合格に変更。注意点として合格率が大幅に低下している
・入国から稼働開始まで最短3〜4か月。特定活動期間内(トラックは最長6か月、タクシー・バスは最長1年)に取得するには入国前からの計画が必要
・業界別(トラック・タクシー・バス)で必要な免許が異なり、タクシー・バスは稼働開始まで1年近くかかるケースも
・受入れ企業は住民票支援・学習環境・研修体制・定期報告などの受入れ対応が求められる
・外免切り替えが不合格の際の代替プランを事前に準備しておくことがリスク管理の鍵
免許取得後は、在留資格と雇用契約の範囲内で外国人ドライバーとして就労できます。自動車運送業分野の特定技能1号は通算で原則5年以内のため、その期間を踏まえて採用・育成計画を立てることが重要です。
>>貴社の状況に合わせた「現実的な採用プラン」を専門家が提示します。 話を聞くだけでも大丈夫です。お気軽にご相談ください。



