blog-01

定技能外国人の国別比較ランキング|在留者数・各国の特徴と採用ポイントを解説【2026年最新】​

特定技能外国人の国別比較ランキング|在留者数・各国の特徴・雇用メリット・採用手続きを徹底解説【2026年最新版】 

「特定技能外国人をどの国から採用すればいいかわからない」「国によって何が違うのか知りたい」——これは、特定技能制度の活用を検討している企業から最も多く寄せられる疑問の一つです。 

特定技能制度では2026年6月現在、アジアを中心とした複数の国・地域の外国人を採用することが可能です。しかし、国ごとに在留者数・言語や文化的背景・二国間協定の有無・送出しに関する手続などが異なります。そのため、自社の業種・職場環境・採用目的に合った人材を、候補者ごとの経験や能力も確認しながら選ぶことが重要です。 

本記事では、出入国在留管理庁が公表している最新の在留者数データをもとに、国籍別ランキング・各国の特徴・二国間協定の状況・職種別の活躍傾向・雇用する際のメリット・採用手続きの方法まで、採用担当者が知っておくべき情報を網羅的に解説します。



1. 特定技能制度の概要・背景と在留資格の種類 

特定技能制度は、少子高齢化による労働人口の減少と深刻な人手不足を解消するために、日本政府が2019年4月に正式導入した在留資格制度です。特定の産業分野において即戦力となる技能・知識を持つ外国人が日本で就労できることを認めるもので、国土交通省・出入国在留管理庁などが連携して制度の適切な運用と外国人材の支援・サポートを行っています。 

制度の最大の特徴は「技能実習とは異なり、即戦力として直接雇用できる」点にあります。特定技能1号の取得には、分野ごとの技能試験と日本語能力試験(JLPT等)に合格するルートに加え、対応する職種で技能実習2号を良好に修了した場合は試験が免除されるルートもあります。自動車運送業には対応する技能実習の職種区分が存在しないため、技能評価試験の免除対象にはなりません。技能実習2号を良好に修了した者については、トラック分野に限り日本語試験が免除され、バス・タクシーでは所定の日本語能力要件を満たす必要があります。いずれのルートでも一定の技術水準・実務経験が確認されたうえで在留資格が付与されます。企業側にとっては、即戦力を確保しながら人手不足を解消できる実務的なメリットがあります。 

制度開始当初は14分野が対象でした。その後、2022年5月に製造3分野(素形材産業・産業機械製造業・電気・電子情報関連産業)が統合されて12分野となり、2024年3月に自動車運送業・木材産業・林業・鉄道の4分野が追加されて16分野となりました。さらに2026年1月23日の閣議決定でリネンサプライ・物流倉庫・資源循環の3分野が新たな特定産業分野として定められ、制度上は合計19分野となりました。新規3分野についても、受入れに向けた省令・告示等の整備が順次進められています。全職種合計での特定技能在留者数は増加を続けており、出入国在留管理庁「特定技能制度運用状況」(速報値)によると令和7年12月末時点で390,296人(令和6年12月末の284,466人から約10.6万人増)に達しており、今後もさらなる増加が見込まれています。 

在留資格の種類:特定技能1号・2号の違い 

特定技能には「1号」と「2号」の2種類があります。在留資格の取得要件・在留期間・家族帯同の可否などが大きく異なるため、企業側は雇用前に違いを正確に把握しておくことが重要です。 

比較項目 特定技能1号 特定技能2号
在留期間 最長5年(通算・更新可) 更新回数制限なし(実質無期限)
家族帯同 原則不可 可(配偶者・子)
転職 同一分野内は可 同一分野内は可
技能実習からの移行 可(一定条件あり) 分野ごとの技能水準・実務経験要件を満たすこと
対象者 原則、技能試験+日本語試験合格者(技能実習2号良好修了者等は試験免除あり) 熟練した技能保有者
在留資格取得方法 原則、技能試験・日本語試験に合格(技能実習2号良好修了者等には試験免除あり) 分野ごとの2号技能水準・実務経験の確認(1号を経ずに取得することも可能)

特定技能2号は在留期間の更新制限がなく、長期間日本で就労できるため、長期的な人材育成・定着を目指す企業側にとって特に魅力的な選択肢です。ただし自動車運送業分野は現時点で特定技能1号のみが対象で、2号は未対応となっています(2026年8月時点)。 ]


2. 特定技能外国人の国籍別在留者数ランキング【2026年最新】 

出入国在留管理庁が公表しているデータによると、特定技能外国人の在留者数は制度開始以来、一貫して増加を続けています。令和7年(2025年)12月末時点(速報値)の国籍別在留者数ランキングは以下のとおりです(出典:出入国在留管理庁「特定技能制度運用状況」令和7年12月末現在・速報値)。各国の人数・割合を比較することで、どの国籍からの採用実績が多いかを把握できます。 

順位 国籍 在留者数(令和7年12月末・速報値) 全体に占める割合 増加傾向
1位 ベトナム 164,352人 42.1% 近年シェアは低下傾向だが依然最多
2位 インドネシア 86,955人 22.3% 直近半年の増加数は全国籍中最大
3位 ミャンマー 44,523人 11.4% 増加は堅調(直近半年+8,883人)
4位 フィリピン 35,862人 9.2% 介護・製造業を中心に増加
5位 中国 22,105人 5.7% 製造業・外食業中心
6位 ネパール 12,387人 3.2% 増加傾向
7位 カンボジア 8,500人 2.2% 農業・製造業中心
8位 タイ 6,817人 1.7% 製造業・農業中心
9位以下 その他(ウズベキスタン・スリランカ・バングラデシュ・モンゴル等) 計8,795人 2.3% 各国合算で増加傾向

ベトナムは制度開始当初から最大の送り出し国で、依然として全体の42.1%を占め1位を維持していますが、そのシェアは令和6年12月末の約47%、令和7年6月末の約44%から縮小が続いています。インドネシアは2位で、直近半年(令和7年6月末→12月末)の増加数は17,418人とベトナムの15,866人を上回っており、猛追しています。ミャンマーは3位を維持しており、同期間で8,883人増加するなど堅調に伸びています(出典:出入国在留管理庁「特定技能制度運用状況」令和7年12月末現在・速報値)。 

特定技能の在留者数は2026年以降もさらに増加が続くと見込まれており、特に自動車運送業分野は2024年12月の受入れ開始から日が浅く、他の分野(介護・製造業など)と比べて在留者数はまだごく少数です。5年間の受入れ見込み数は当初の24,500人から2026年1月23日の閣議決定(分野別運用方針の見直し)で22,100人に改定されており、出入国在留管理庁の発表によれば令和7年12月末時点の実際の在留者数(特定技能1号)は151人にとどまっています。今後の伸びが期待される一方、現時点では立ち上がり段階にあるといえます。各国の受け入れ状況は出入国在留管理庁が定期的に公表しており、最新の人数データを確認することをおすすめします。 


3. 特定技能外国人を採用できる国一覧と二国間協定 

特定技能外国人はMOC締結国に限定されているわけではなく、原則として幅広い国籍が対象です。ただし、退去強制令書の円滑な執行に協力しない国・地域の出身者は受入れが認められないなど、法令上の受入れ制限があります。日本政府と二国間協定(MOC:Memorandum of Cooperation)を締結している国では、円滑かつ適正な送出し・受入れに向けた政府間の情報共有・連携の枠組みが設けられています。 

二国間協定(MOC)は、特定技能外国人の円滑かつ適正な送出し・受入れの確保、悪質な仲介事業者の排除等を目的として、日本政府と相手国政府との間で結ばれる情報共有・連携の枠組みです。MOC未締結国(例:中国など)でも特定技能外国人の受入れは可能ですが、当該国の法令や送出しに関する手続・制度の有無を個別に確認する必要があります。 

国・地域 二国間協定(MOC) 在留者数の傾向
ベトナム 締結済み 最多・42.1%
インドネシア 締結済み 2位・急増中
ミャンマー 締結済み 3位・増加傾向
フィリピン 締結済み 4位・増加傾向
中国 未締結 5位・一定数
ネパール 締結済み 増加傾向
タイ 締結済み 中規模
カンボジア 締結済み 中規模
ウズベキスタン 締結済み 増加傾向(注目)
スリランカ 締結済み 少数
バングラデシュ 締結済み 少数
モンゴル 締結済み 少数
パキスタン 締結済み 少数

MOC締結国では、悪質な仲介事業者の排除や円滑かつ適正な送出し・受入れに向けた情報共有・連携の枠組みが設けられています。MOC未締結の中国からも採用は可能ですが、信頼できる登録支援機関・人材紹介会社を通じた採用が推奨されます。 


4. 国別・国籍別の特徴比較(ドライバー分野での評価) 

特定技能外国人の採用では、国籍ごとの特徴を理解したうえで、自社の業務内容・職場環境に合った人材を選ぶことが重要です。以下では各国の人材特徴・強み・注意点を詳しく解説します。 

① インドネシア 

インドネシアは人口約2.87億人を擁する東南アジア最大の人口大国で、若年労働者が豊富です。特定技能制度全体での在留者数は2位で、2025年の1年間の増加数はベトナムを上回るなど、他国を上回るペースで伸びています。 

【ドライバー分野での強み・特徴】 

・日本と同じ右ハンドル・左側通行である 

・インドネシア人材の多くはイスラム教徒で、宗教上の理由から飲酒をしない人が多い傾向がある 

・人口約2.87億人を擁し、若年層の人口比率が高い 

・日本との二国間協定(MOC)締結済みで、円滑かつ適正な送出し・受入れに向けた政府間の連携枠組みがある 

・漁業・造船・農業など多様な職種での採用実績がある 

② ベトナム 

特定技能制度全体で最も在留者数が多い国です。制度開始当初から最大の送り出し国として実績を積んでおり、技能実習からの移行者も多いため、すでに日本で就労経験・生活経験を持つ国内在留者を確保しやすいという強みがあります。 

【ドライバー分野での強み・特徴】 

・技能実習からの移行者を含め、日本での就労経験を持つ人材が一定数存在する 

・在留者数が全国籍中最多である(出入国在留管理庁公表データより) 

・製造業・外食業・介護・農業・飲食料品など多分野での採用実績が豊富 

・ドライバー分野でも採用実績が増加傾向にある。技能実習2号良好修了者も、自動車運送業分野の技能評価試験に合格すれば移行を検討できる(日本語試験の免除はトラック分野に限る) 

・注意点:左ハンドル・右側通行(日本と逆)のため道路環境への慣れに時間がかかる場合がある 

③ ネパール 

在留者数は6位で増加傾向にあります(出入国在留管理庁公表データより)。 

【ドライバー分野での強み・特徴】 

・在留者数は増加傾向にある(出入国在留管理庁公表データより) 

・製造業・外食業・農業などでも採用実績がある 

・日本との二国間協定(MOC)締結済みで、円滑かつ適正な送出し・受入れに向けた政府間の連携枠組みがある 

④ フィリピン 

英語が公用語の一つであり、英語でのコミュニケーションが可能な人材が多い傾向があります。介護・農業・宿泊分野などで採用実績があります。 

【特徴・注意点】 

・英語でのコミュニケーションが可能である 

・介護・製造業・農業・宿泊・外食業での採用実績がある 

・在留者数は全国籍中4位で増加傾向にある(出入国在留管理庁公表データより) 

・注意点:左ハンドル・右側通行のため、日本とは道路・車両環境が異なる(フィリピンでは右ハンドル車の使用が原則禁止されている) 

⑤ ミャンマー 

在留者数は全体3位を維持しており、直近半年(令和7年6月末→12月末)でも8,883人増加するなど堅調に伸びています。 

【ドライバー分野での強み・特徴】 

・出入国在留管理庁の速報値では在留者数が全国籍中3位で、他分野を含め採用実績が広がっている 

・在留者数は増加傾向が続いている(出入国在留管理庁公表データより) 

・製造業・農業・建設・ビルクリーニングなど複数の職種での採用実績がある 

・注意点:右ハンドル・右側通行(左側通行ではない)のため道路環境の違いに留意が必要 

⑥ その他の国籍(中国・タイ・ウズベキスタン等) 

中国は技術系・製造業・外食業・工業製品分野での採用が中心です。二国間協定(MOC)は未締結ですが、各国の法令に準拠した採用が可能です。 

ウズベキスタンは製造業・造船・舶用工業・農業で在留者数が増加している新興送り出し国です。タイ・スリランカ・カンボジアなどは農業・製造業・宿泊業での採用実績があります。バングラデシュ・モンゴル・パキスタンからの採用も少数ながら行われており、今後の拡大が期待されています。 

国籍 在留者数ランキング 道路環境適合 必要日本語レベル(職種共通) 宗教・食事上の配慮 採用形態(参考・要個別確認)
インドネシア 2位(急伸) 右ハンドル・左側通行共通 トラック A2.2相当以上/タクシー原則N3以上(サポーター同乗時N4可)/バス原則N3以上(乗合バスは一定条件下でN4可) 候補者ごとに確認 候補者による(要個別確認)
ベトナム 1位(シェアは低下傾向) 右側通行(日本と逆) トラック A2.2相当以上/タクシー原則N3以上(サポーター同乗時N4可)/バス原則N3以上(乗合バスは一定条件下でN4可) 候補者ごとに確認 候補者による(要個別確認)
ミャンマー 3位(堅調に増加) 右側通行 トラック A2.2相当以上/タクシー原則N3以上(サポーター同乗時N4可)/バス原則N3以上(乗合バスは一定条件下でN4可) 候補者ごとに確認 候補者による(要個別確認)
フィリピン 4位(増加) 左ハンドル・右側通行(右ハンドル車は原則使用禁止) トラック A2.2相当以上/タクシー原則N3以上(サポーター同乗時N4可)/バス原則N3以上(乗合バスは一定条件下でN4可) 候補者ごとに確認 候補者による(要個別確認)
ネパール 6位(増加) 左側通行・右ハンドル共通 トラック A2.2相当以上/タクシー原則N3以上(サポーター同乗時N4可)/バス原則N3以上(乗合バスは一定条件下でN4可) 候補者ごとに確認 候補者による(要個別確認)

5. 特定技能外国人を雇用するメリット 

特定技能外国人を雇用することには、企業側にとって多くのメリットがあります。単なる労働力の補充にとどまらず、長期的な人材戦略の観点からも重要な施策となっています。 

① 深刻な人手不足の解消 

日本の運送業・介護業・製造業・農業などは、少子高齢化による人手不足が極めて深刻な状況にあります。特定技能外国人を受け入れることで、国内採用だけでは充足できない人材不足を解消し、事業の継続・拡大が可能になります。 

② 即戦力となる人材の確保 

特定技能では、原則として分野ごとの技能試験と日本語試験への合格が必要です。技能実習2号良好修了者等には試験免除措置がありますが、自動車運送業には対応する技能実習の職種区分がないため、技能評価試験の免除対象とはなりません。技能実習2号を良好に修了した者について、日本語試験が免除されるのはトラック分野に限られ、バス・タクシーでは所定の日本語能力要件を満たす必要があります。日本語レベルは分野・職種によって異なり、自動車運送業ではトラックはN4相当以上(JLPT N4またはJFT-Basic等のA2.2相当以上)、タクシー・バスは原則N3相当以上ですが、タクシーは日本語サポーターの同乗の場合、乗合バスは日本語サポーターの同乗等の一定条件下でN4相当が認められる場合があります(2026年1月23日閣議決定による見直し。貸切バスは対象外)。そのため、一定水準以上の実務知識・日本語コミュニケーション能力を持つ即戦力人材を採用できます。技能実習と異なり、育成前提ではなく実務対応できる状態での雇用が可能です。 

③ 長期雇用・定着率の高さ 

特定技能2号に移行した外国人労働者は在留期間の更新制限がなく、長期間の就労が可能です。家族帯同も認められるため、生活基盤が安定し定着率の向上につながります。ただし自動車運送業(ドライバー)分野は現時点で特定技能1号のみが対象で、2号への移行制度は未対応です。2号への移行が可能な分野では、移行を見据えてスキルアップに取り組む人材も見られます。 

④ 多様性による職場活性化 

多様な文化的背景を持つ外国人材が職場に加わることで、新しい視点・発想が生まれ、組織全体の活性化につながります。特に多国籍のお客様や取引先がいる企業では、外国語対応力・異文化理解力を持つ特定技能外国人が業務上の強みとなります。 

⑤ 段階的な受け入れ拡大が可能 

特定技能制度では各分野に受入れ見込数が設定されています。また、登録支援機関を活用することで、受け入れ体制の整備・生活支援・行政手続きのサポートを外部委託できるため、初めての外国人雇用でも受け入れ体制を整えながら進めることができます。


6. 特定技能ドライバーの職種と具体的な業務内容 

自動車運送業分野の特定技能外国人(特定技能ドライバー)は、単なる運転業務だけでなく、安全管理・顧客対応・業務記録など、日本の物流・公共交通を円滑に支える多岐にわたる役割を担います。 

職種・業種 主な業務内容 必要な日本語レベル 特記事項
トラック(貨物運送) 荷物の集荷・配送・積み下ろし・伝票記入・配送ルート管理・車両点検 JLPT N4またはJFT-Basic等 A2.2相当以上 第一種運転免許・大型免許等
バス(旅客輸送) 乗客の安全輸送・停留所案内・料金収受・緊急対応・接客応対 原則N3以上(乗合バスはサポーター同乗等でN4可) 第二種運転免許必須
タクシー(旅客輸送) 乗客の送迎・行き先確認・運賃案内・観光案内・接客 原則N3以上(サポーター同乗の場合N4可) 第二種運転免許必須

いずれの職種でも、日々の車両点検・運行前後のアルコールチェック・安全運転の徹底が法令により求められます。また、バス・タクシー運送業では新任運転者研修(座学・路上走行研修・適性診断)の修了が義務付けられています。トラックを含む事業用自動車の運転者には、法令に基づく必要な指導・監督が行われます。特定技能ドライバーは、日本の道路交通法・業務法規を理解したうえで実務に従事することが前提となります。

特定技能ドライバーは単なる労働力補充ではなく、多様な文化的背景を持つ人材が職場に新しい視点をもたらし、組織全体の活性化につながる存在として期待されています。人手不足が深刻な運送業界において、特定技能制度の活用は今や標準的な人材戦略となっています。 


7. 自社に合った国籍の選び方・採用手続きの流れ 

7-1. 国籍選びの判断軸 

特定技能外国人の採用では「道路環境との相性」「日本語レベル」「文化的配慮事項」「送り出し体制」「採用リードタイム」を総合的に判断することが重要です。各国の特徴を比較したうえで、自社の状況に合った国籍・採用方法を検討してください。 

・道路環境の共通点を確認する場合 → インドネシアは日本と同じ左側通行・右ハンドル 

・日本語力を重視する場合 → 国籍ではなく、候補者ごとのJLPT・JFT-Basic等の取得状況や面接時のコミュニケーション力を確認 

・在留者数の多い国籍から検討したい場合 → ベトナム(在留者数が全国籍中最多。出入国在留管理庁公表データより) 

・自動車運送業は現時点で特定技能1号のみが対象で、2号は未対応です(長期定着を重視する場合も国籍にかかわらずこの点に留意が必要) 

7-2. 採用の流れと必要な手続き 

特定技能外国人(ドライバー)の採用手続きは以下のステップで進めます。処理期間は候補者の国籍・在留資格審査・免許取得方法などによって個別に異なり、行政が一律に定めた期間ではありません。参考として、国土交通省は自動車運送業分野特定技能協議会への加入手続について、届出内容の確認に1か月程度を要する見込みと案内しています。採用全体のリードタイムは候補者ごとに大きく異なるため、依頼先の登録支援機関・人材紹介会社に個別にご確認ください。企業側は在留資格の申請・雇用契約書の準備・協議会加入など、複数の手続きを並行して進める必要があります。

STEP 内容 ポイント・注意点
1 採用国籍の選定・エージェントへ相談 自社の業種・職場環境に合った国籍を選定。送り出し体制・法令の確認も重要
2 受け入れ要件の整備 協議会加入と業態別の認証取得(トラックはGマークまたは働きやすい職場認証、バス・タクシーは働きやすい職場認証)に早めに着手する。協議会の届出内容確認には1か月程度を要する見込み。認証取得に要する期間は制度や申請時期によって異なる
3 求人・候補者選考・オンライン面接 優秀な人材は複数社から声がかかる。スピードが重要。雇用契約書の内容も事前整備
4 内定・雇用契約書締結 多言語対応の雇用契約書を準備。在留資格変更・更新に必要な書類も確認
5 在留資格申請・認定証明書取得 必要に応じて行政書士や、申請取次ぎが可能な登録支援機関等を活用(自社での代理申請も可能)。協議会加入完了・ビザ取得完了を必ず確認
6 入国前教育(現地) 安全運転・日本語・業務内容の知識を事前に習得。現地教育体制が充実した機関を選ぶ
7 入国・日本の運転免許取得 外免切替or教習所ルートで取得(個人差が大きいため事前確認が必要)。ルートを採用前に決定しておくことが重要
8 必要な研修・指導後に現場配属 バス・タクシーは新任運転者研修(座学・路上走行研修・適性診断)の修了が必須。トラックは法定の指導・監督後に配属。生活面の支援体制(住居・行政手続き・日本語学習サポート)が定着率を左右

8. 特定技能1号・2号と技能実習制度の比較 

特定技能外国人の採用を検討する際、技能実習制度との違いを正しく理解しておくことが重要です。制度の目的・在留期間・雇用形態・転職の可否など、多くの点で異なります。特に自動車運送業は技能実習制度の対象外である点は必ず確認してください。 

比較項目 特定技能1号 特定技能2号 技能実習(参考)
制度の目的 人手不足解消・即戦力確保 熟練技能の活用・長期就労 技術移転・国際貢献
在留期間 最長5年(更新可) 無期限更新可 最長3〜5年
転職 同一分野内は可 同一分野内は可 原則不可
家族帯同 不可 可(配偶者・子) 不可
即戦力性 高い(一定の技能・日本語能力を確認) 非常に高い(熟練技能者) 低い(育成前提)
雇用形態 原則直接雇用(派遣は農業・漁業のみ) 原則直接雇用(派遣は農業・漁業のみ) 実習実施者との雇用契約(団体監理型では監理団体が実習を監理)
自動車運送業での採用 2024年3月29日閣議決定/同年12月19日受入れ開始(直接雇用) 対象外(現時点で1号のみ) 対象外
高度人材との違い 試験合格で取得可能 実務経験・熟練度で移行 技能移転が目的で異なる

技能実習制度は「国際貢献・技術移転」を目的としており、自動車運送業分野は対象外です。そのため、技能実習を通じて外国人をドライバーとして雇用することはできず、特定技能制度が実質的な受け皿となっています(永住者・日本人の配偶者等など就労制限のない在留資格を持つ方を除く)。また、他分野での技能実習経験者から特定技能1号への移行は一定条件のもとで可能なため、技能実習経験者の活用も検討する価値があります。

なお、在留資格「技術・人文知識・国際業務」や「高度専門職」、留学生の採用とも異なり、特定技能は特定の産業分野の職種に特化した在留資格です。自社が採用したい業務・職種に合った在留資格を選ぶことが重要です。 


9. 注意点・よくあるトラブルと対策 

特定技能外国人の受け入れにあたって、企業側でしっかり把握しておくべき注意点と、よくあるトラブルの対策をまとめました。これらを事前に確認しておくことで、採用後のトラブルを未然に防ぐことができます。 

よくあるトラブル・注意点 対策・ポイント
協議会未加入のままビザ申請できなかった 協議会加入を早めに進める。国土交通省では届出内容の確認に1か月程度を要する見込みとしている
宗教的・文化的配慮が不足しトラブルになった 採用前に文化・宗教・食事制限を確認し雇用契約書に明記。イスラム教徒は礼拝・ハラール食に配慮
外免切替に時間がかかり現場配属が遅れた 教習所ルートを選択するか入国直後から試験対策を徹底。採用前にルートを決定しておく
内定後に候補者が辞退・他社に流れた 内定後もSNS・ビデオ通話で定期連絡を取り関係を維持。雇用契約書を早期に締結
生活支援不足で早期離職された 登録支援機関を活用し住居確保・行政手続き・日本語学習・定期面談をサポート体制として整備
国籍を理由に給与を低く設定していた 特定技能制度では、日本人が従事する場合の報酬額と同等以上とすることが雇用契約の要件。違反は行政指導リスクあり
在留資格の更新申請を忘れた 在留期間満了の3か月前から更新申請が可能。スケジュール管理を徹底し期限切れを防ぐ
各国の法令・送り出しルールを確認していなかった 採用前に各国の送り出し機関の認可状況・法令遵守状況を確認。MOC締結国は特にルールが整備されている


10. よくある質問(FAQ)

Q1. 特定技能外国人はどの国籍でも採用できますか? 

MOC締結国に限定されているわけではなく、原則として幅広い国籍の外国人が対象です。ただし、退去強制令書の円滑な執行に協力しない国・地域の出身者は受入れが認められないなど、法令上の受入れ制限があります。日本政府と二国間協定(MOC)を締結している国では、円滑かつ適正な送出し・受入れに向けた政府間の情報共有・連携の枠組みが設けられています。2026年現在、ベトナム・インドネシア・フィリピン・ネパール・ミャンマー・カンボジア・タイ・モンゴル・スリランカ・バングラデシュ・ウズベキスタン・パキスタンなどがMOC締結国です。各国の法令・ルールの最新情報は出入国在留管理庁の公表データを確認してください。 

Q2. 国籍別在留者数のランキングで最も人数が多いのはどこですか? 

出入国在留管理庁「特定技能制度運用状況」(令和7年12月末現在・速報値)によると、ベトナムが164,352人(構成比42.1%)で引き続き1位、2位がインドネシアで86,955人(22.3%)、3位がミャンマーで44,523人(11.4%)、4位がフィリピンで35,862人(9.2%)です。ベトナムのシェアは令和6年12月末の約47%から縮小が続く一方、インドネシアは直近半年の増加数(17,418人)でベトナム(15,866人)を上回るなど急速に伸びています。各国の在留者数データは出入国在留管理庁が定期的に公表しており、最新の人数を随時確認することをおすすめします。 

Q3. 道路交通環境の共通点がある国籍はどこですか? 

道路環境(右ハンドル・左側通行)が日本と共通しているのはインドネシアとネパールです。ただし、これはあくまで環境面の共通点であり、実際の運転適性は個人の免許経験・運転歴・技能試験結果などによって異なります。国籍だけで一律に適性を判断せず、候補者ごとの経験・スキルを確認したうえで採用を判断することが重要です。 

Q4. 特定技能外国人と技能実習生の違いは何ですか? 

特定技能は「即戦力として直接雇用する」ための在留資格で、技能実習は「国際貢献・技術移転」を目的とした制度です。自動車運送業(ドライバー)分野は技能実習の対象外です。永住者・日本人の配偶者等など就労制限のない在留資格を持つ方を除き、外国人ドライバーの受入れ制度としては特定技能が活用されています。雇用形態・在留期間・転職の可否など、多くの点で大きな違いがあります。 

Q5. 二国間協定(MOC)がない国の人材も採用できますか? 

MOC未締結国(例:中国など)でも特定技能外国人を採用することは可能です。ただし、国ごとに送出しに関する制度や必要手続が異なるため、当該国の法令・手続を個別に確認することが重要です。 

Q6. 特定技能2号に移行するとどうなりますか? 

特定技能2号に移行すると、在留期間の更新回数制限がなくなり実質無期限の就労が可能になります。また家族帯同も認められるため生活基盤が安定し、長期定着率の向上につながります。ただし自動車運送業(ドライバー)分野は2026年8月時点で1号のみが対象で、2号への移行制度は未対応です。 

Q7. 特定技能外国人の採用にかかる費用はどのくらいですか? 

採用形態(海外採用・国内採用)や人材紹介会社・登録支援機関によって大きく異なり、出入国在留管理庁や国土交通省が定める公定料金があるわけではありません。渡航費・送り出し機関費用・登録支援機関費用など、費用の構成要素は契約内容によって変動するため、具体的な金額は依頼先の登録支援機関・人材紹介会社に個別に確認することをおすすめします。一般的には、国内採用は渡航費が不要なため、海外採用に比べて費用を抑えられる傾向があります。 

Q8. 自動車運送業分野の特定技能外国人を採用する際の要件は何ですか? 

企業側の主な要件として、①自動車運送業分野の協議会加入、②業態ごとの認証取得(トラックはGマークまたは働きやすい職場認証、バス・タクシーは働きやすい職場認証。Gマークでの代替は不可)、③法定の支援体制の整備が必要です。登録支援機関へ支援を委託する場合は、委託先の登録支援機関も自動車運送業分野特定技能協議会への加入が必要です。外国人側の要件は、自動車運送業の技能試験合格・必要な日本語能力の証明・日本の自動車運転免許の取得・在留資格の取得です。トラックは第一種運転免許、バス・タクシーは第二種運転免許が必要です。技能実習2号良好修了者について日本語試験が免除されるのはトラック分野に限り、バス・タクシーでは所定の日本語能力要件を満たす必要があります。日本語レベルはトラックがN4相当以上(JLPT N4またはJFT-Basic等)、タクシー・バスは原則N3相当以上ですが、タクシーは日本語サポーターの同乗、乗合バスはサポーター同乗等の一定条件下でN4相当も認められる場合があり(貸切バスは対象外)、職種によって異なるため、採用前に要件を満たしているか確認したうえで手続きを進めることが重要です。 

Q9. 特定技能外国人が働ける職種・分野にはどんなものがありますか? 

2026年1月23日の閣議決定で特定産業分野は19分野となりました。介護・ビルクリーニング・工業製品製造業・建設・造船・舶用工業・自動車整備・航空・宿泊・農業・漁業・飲食料品製造業・外食業・鉄道・林業・木材産業・自動車運送業(2024年追加)の16分野に加え、リネンサプライ・物流倉庫・資源循環の3分野が新たに定められています。新規3分野についても、受入れに向けた省令・告示等の整備が順次進められています。各職種・分野ごとに技能試験の内容・受験資格・合格基準が異なります。実施している試験の概要は各分野の所管省庁が公表しています。 

Q10. 高度人材・留学生との違いは何ですか? 

在留資格「技術・人文知識・国際業務」は、一定の学歴・専攻または実務経験等の要件を満たす専門的業務を対象とした在留資格で、特定技能のような技能試験は不要です(大学卒業が唯一の要件ではなく、専攻との関連性を有する教育歴や一定の実務経験で要件を満たす場合もあります。別に「高度専門職」という在留資格もあります)。留学生は、資格外活動許可を受けた場合、原則として週28時間以内(長期休業期間中は1日8時間以内)でアルバイト等の就労が可能です。特定技能は試験合格を前提に、特定分野の実務に特化した在留資格です。それぞれの在留資格の要件・メリットを比較したうえで、自社のニーズに合った採用方法を選択することが重要です。 


外国人ドライバーの採用をご検討の企業様へ 

外国人ドライバードットコムでは、インドネシア・ネパール・ベトナムをはじめとする複数国からドライバー適性の高い特定技能人材をご紹介しています。インドネシア現地には日本人元教習員が常駐し、日本式安全運転・業務知識を入国前から教育するため、即戦力として活躍できます。 

「どの国籍の人材が自社に合うかわからない」「特定技能制度の手続きが複雑で不安」「採用費用や期間を知りたい」という段階からお気軽にご相談ください。登録支援機関としての支援体制も整備しており、採用から定着まで一貫してサポートいたします。 

▶ 特定技能外国人ドライバーの採用相談・資料ダウンロードはこちら(無料) 

外国人材の採用サービスはこちらから

特定技能外国人の就職相談はこちらから

Share this pageURL をコピーXFacebookLINE

Link copied!