24

運転以外の作業もOK?特定技能がやっていい仕事・ダメな仕事

運転以外の「積み・降ろし作業」はしてもらって大丈夫?特定技能がやっていい仕事・ダメな仕事

【監修者】木下洋輔 株式会社アズスタッフ 海外人材事業部 責任者

海外人材事業の立ち上げを統括し、現在は月の大半をアジア各国で過ごす。現地での採用面接会やドライバーの教育支援に奔走する傍ら、国内では営業として運送企業の新規開拓に従事。現場の悩みを知り尽くした視点から、外国人ドライバーと企業を繋ぐ架け橋として、日本の物流インフラを守るための人材戦略を提唱している。


1. 導入:特定技能ドライバーの「荷役作業」はどこまで認められるか?

「特定技能の外国人は、トラックの運転だけが仕事なのか?」

 「日本人と同じように、積み降ろしなどの付随作業を頼んでも法律違反にならないのか?」

特定技能ドライバーの受け入れを開始、または検討している経営者様や運行管理者様から、こうした実務的な質問を頻繁にいただきます。

技能実習制度では作業範囲が厳格に制限されていたため、「外国人=特定の作業しかできない」というイメージが強いかもしれませんが、特定技能は大きく異なります。

しかし、何でも自由にさせて良いわけではありません。

制度上、特定技能ドライバーの荷役作業の範囲には、明確な定義が存在します。これに違反すると、会社側が「不法就労助長罪」に問われるリスクさえあります。

今回は、国土交通省の指針に基づき、特定技能ドライバーが「やっていい仕事」と「ダメな仕事」の境界線を明確に解説します。


2. 法令が定める「特定技能ドライバー」の業務・荷役作業の範囲

特定技能「自動車運搬業(トラック)」で入国した外国人が従事できる業務は、国土交通省の運用要領により、大きく分けて以下の2つに分類されています。

  • トラックの運転: 貨物自動車運搬事業の許可を受けた車両の運転。
  • 付随する作業: 運行に付随する「荷積み・荷降ろし(荷役作業)」、荷物の仕分け、点検整備、清掃、事務作業など。

ここで重要なのは、特定技能ドライバーの荷役作業の範囲として、日本人のプロドライバーが通常行っている「積み降ろし」は、業務の一部として完全に認められているという点です。

日本人社員が通常行っている範囲内であれば、主たる業務以外の作業も一部認められます。。

  • 例: 倉庫内での軽作業、棚卸し、洗車など。

ただし、これらはあくまで「運行業務の合間」に行うものであり、「1日の大半が倉庫内での荷役作業で、運転を全くしない」といった状態は認められません。


3. 【注意】これはダメ!業務範囲を逸脱するNG例

良かれと思って指示したことが、法抵触になるケースがあります。以下の例には特に注意が必要です。

  • 他職種の業務への専従: 「今日はトラックが空いていないから、1日中工場のラインに入ってくれ」というのはNGです。特定技能は「職種」で資格が発行されているため、職種を超えた専従は認められません。
  • 自家用(白ナンバー)車両での運送: 特定技能の対象は、あくまで「事業用(緑ナンバー)」の貨物自動車運搬業です。
  • 運転を伴わない「荷役作業」のみの連日就労: 特定技能ドライバーの荷役作業の範囲はあくまで「運行に付随するもの」です。長期間、運転業務を一切させずに積み降ろしや倉庫作業だけをさせることは、在留資格の趣旨に反します。

出典元:出入国在留管理庁


4. 現場での「適正な運用」を守るための3つのコツ

アズスタッフでは、人材を紹介するだけでなく、「いかに辞めさせないか」に重きを置いた支援を行っています。

  • 第三者の視点での定期面談: 社内の人間には言えない悩み(母国の家族の事情など)を私たちが聞き出し、解決の糸口を探ります。
  • 運行日報(デジタコ等)の適切な管理: 「実際に運転業務をメインで行っているか」の証明として、日報や運行記録を正しく管理・保存しておくことが、いざという時の会社の守りになります。
  • 本人の「認識」を確認する: 登録支援機関による面談を通じて、本人が「運転させてもらえない、荷役ばかりだ」という不満(=契約違反の懸念)を抱いていないか定期的に確認します。

5. アズスタッフの「コンプライアンス支援」

アズスタッフでは、人材の紹介に留まらず、受け入れ後の「業務管理」についても専門的なアドバイスを行っています。

  • 定期監査サポート: 実際の業務内容が制度の趣旨から外れていないか、定期的にチェックするお手伝いをします。
  • 現場向け多言語指示書の作成: 「どこまでがやっていい仕事か」を本人も正しく理解できるよう、業務範囲の多言語化マニュアル作成を支援します。

6. まとめ:正しい「境界線」を知ることが、会社と人材を守る

特定技能ドライバーは、日本人ドライバーと同じように「現場の主役」として、運転から積み降ろしまで幅広く活躍できる制度です。

しかし、その自由度が高いからこそ、ルールを逸脱しない慎重な管理が求められます。

特定技能ドライバーの荷役作業の範囲を正しく理解し、適正な業務分担を行う。それが、特定技能という強力な「武器」を、安全に、そして長期的に使いこなすための唯一の道です。アズスタッフと共に、クリーンで強い運送組織を築きましょう。

>>貴社の状況に合わせた「現実的な採用プラン」を専門家が提示します。 話を聞くだけでも大丈夫です。お気軽にご相談ください。